地球上の生物は自らを取り巻く様々な環境の影響を受けて、生命活動を続け進化を遂げてきた。光、温度、湿度、電界、気圧など、その影響が予想され観測が容易な物理パラメータについては多くの研究が行われてきた。生物は誕生から地磁気中に存在し磁界の影響を常に受けているが、その影響についてはあまり調べられていない。しかし、植物の発芽や成長の磁界影響に関する先行研究では、小麦種子が直流磁界を印加することにより苗の伸び率が100%の増加を示した報告がある。ダイコン種子も磁界印加することで発芽に変化をもたらす報告がある。しかし磁界の影響による発芽や成長に関するメカニズムの多くは明確にされていない。そこで我々は植物の磁界影響に着目し、温度、光、磁界がそれぞれ制御可能な発芽観測システムを構築し、磁界と発芽の関係についてしらべた。
喘息・花粉症等のアレルギー疾患は腸内に生息するビフィズス菌が関与すると言われ、大腸ガンは西洋化した食生活による腸内細菌叢のビフィズス菌の減少が原因と言われています。このように人と共生関係にあるビフィズス菌の遺伝子レベルでの生育促進要因を研究しています。
臨床検査には、生物由来の生体触媒(酵素)が使われており、臨床検査酵素は非常に安定であることが必要です。遺伝子工学/タンパク質工学を用いて高性能の生体触媒の改変を行っています。
人体に有害な物質は東南アジア等で農薬として大量に使用されています。これら人が作った化合物を分解する遺伝子をクローニングし、分解能力をもつ微生物・植物を作成する事を行っています。
子宮筋腫/乳ガン等女性特有の病気が近年、急速な増加傾向を示しています。これは、タイオキシン類等の環境ホルモンが大きな要因を占めていると予測されています。そこで環境中のダイオキシンの前駆体を感知する応答性遺伝子を使って、大腸菌を高感度で発色させて環境ホルモンを検出する技術を開発しています。