生体医工学科 岡山理科大学
学科の紹介・特色
カリキュラム
進路・就職と取得できる資格
教員・研究室
お問い合わせ
学科イベント
ホーム

学科に関する資料の請求や
お問い合わせはこちらまで
information@bme.ous.ac.jp
お問い合わせ Contact
 
 
技術科学研究所主催の公開講演会「OUS技術セミナー」が12月1日、国際交流センター国際会議場で開催されました。テーマは、「躍進する生体医工学の最前線」。日本生体医工学会会長 土肥 健純東京大学情報理工学系研究科教授の「生体医工学の魅力と展望」と題した基調講演につづき、最新の画像診断技術や人工臓器の臨床応用例などが企業、工学、医学の専門家等によって紹介されました。
基調講演 ・・・13:30〜14:15
演題:「生体医工学の魅力と展望」
講師:土肥健純(東京大学情報理工学系研究科教授、日本生体医工学会会長)
プロフィール:東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。東京大学工学部教授を経て、現在は東京大学情報理工学系研究科教授、日本生体医工学会会長。大阪大学大学院医学系研究科 客員教授

概要:生体医工学とは、工学の技術を利用して、生体の構造、機能を解析、理解するとともに、その知見を医学に応用するという複合的、学際的な学問領域です。近年、臨床医学は工学との関わりを持つことで飛躍的な発展をしたといえます。心電図、脳波などの検査機器、超音波断層画像、MRIなどの画像機器、人工肝臓、人工肺などの治療機器の進歩は、それまでの医療を大きく変えました。さらに生体医工学の新分野として、コンピュー技術を駆使した遠隔治療、胎児外科治療、脳神経回路再建治療などが開発されつつあります。
新時代の医療において、より強い医工連携は不可能とされていた治療も可能とするでしょう。そして人間が存在し、科学技術が進歩する限り、人間の生命支援に深く関わる研究は、領域の壁を越えて続けられていきます。
特別講演 ・・・14:15〜14:45
演題:「病気の超早期診断をめざして」
講師:川辺泰嗣(島津製作所顧問、前常務取締役)
プロフィール:京都大学工学部卒業。(株)島津製作所入社。同社取締役、国際本部長、常務取締役、技術研究担当を歴任。現在は顧問。京都市地域結集型共同研究事業総括

概要:高齢化が進む我が国において、健康長寿の実現、医療費の抑制のためには、病気の超早期診断が最重要課題のひとつです。田中耕一氏がノーベル賞を受賞した技術をベースとし、この分野で世界的に注目されている分子イメージングなどの先端医療技術についての島津製作所の取り組みをご紹介いただきました。
講演 ・・・14:45〜15:15 
演題:「岡山理科大学工学部生体医工学科の概要」
講師:林紘三郎(岡山理科大学技術科学研究所所長 生体医工学科就任予定
プロフィール:京都大学大学院工学研究科博士課程(機械工学専攻)修了。米国クリ−ブランドクリニック研究所リサーチフェローを経て、国立循環器病センタ−研究所心臓動態研究室室長、同生体工学部部長、北海道大学応用電気研究所教授、大阪大学基礎工学部教授を歴任。大阪大学名誉教授。

概要:生体医工学は、工学系学理を基盤に、工学技術と手法を利用して、生物・生体が有する巧妙で精緻な構造、機能とその機構を、分子、細胞、組織、臓器、からだ全体、環境にわたるレベルとスケールで解析、理解するとともに、得られる知見を医学、工学などへ応用する複合的、融合的、学際的学問・研究領域です。社会の高齢化や健康増進の要請などのために、高度な医療技術と医療機器の開発が活発に進められており、生体医工学は非常に重要な領域になってきています。生体医工学科では、医療技術・機器等に関連する企業や研究機関、病院などの医療機関で、このような状況に対応できる専門家を育成し、人類の健康と福祉に貢献することを目標としています。
学術講演1 ・・・15:30〜16:00
演題:「最新MRI 画像で体内の何を写すことができるか
    −病態診断から予防診断へ」
講師:小畑秀明(三重大学文科省産官学コーディネータ)
プロフィール:三重大学大学院工学研究科修士課程修了。東洋紡績株式会社、(株)三重ティーエルオー NEDOフェロー研究員等を経て、現在は三重大学創造開発センター(文部科学省派遣産学官連携コ−ディネ−タ−)。


概要:MRIは、強い磁場環境下で水分子が電波を吸収する現象を利用して画像を作成するためX線とは異なり被爆の心配がなく、刻々と変化する体の状況を画像化できます。ヒトの思考時脳血管のどの部位が活性化しているかといった組織の組成変化などが画像化できるわけです。また組織内での水分子の多少や性状を知ることで、健康度合いなどが分かるようにもなってきました。MRIは、従来の疾病を診断するための画像診断装置だけにはとどまらず、その特性を活かし病気の兆候を早期に発見する予防診断への役割が求められています。

学術講演2 ・・・16:00〜16:30
演題:「人工肺の現状と未来」
講師:市場晋吾(岡山大学医学部・歯学部附属病院講師 生体医工学科就任予定
プロフィール:岡山大学大学院医学研究科修了。岡山大学医学部付属病院第二外科助手、香川県立中央病院 救命救急センター医長、岡山大学医学部・歯学部付属病院・救命救急部/高次治療部 副部長等を歴任。

概要:現在の人工肺は心臓手術における短時間の心肺補助が主であり、他には重症呼吸循環不全に対する2週間程度のサポート手段としての使用に限られています。問題点としては、血液が凝固しないように抗凝固剤を使用するため副作用として出血や血栓症の危険性がある他、異物混入の反応により輸血の必要性が生じることもあります。そのため、生体適合性を高める工夫がなされているところです。また、携帯型の人工肺が開発中であり、胸腔内に植え込むことにより呼吸の補助を行うことができ、疾患の治療促進や肺移植までの代用肺として使用されることが期待させています。さらには次次世代には肺移植の替わりになる人工肺も開発されるかもしれません。
学術講演3 ・・・16:30〜17:00
演題:「なぜ心臓が肥大すると突然死を引き起こしやすくなるのか
     −心筋細胞が肥大すると消費するエネルギーが増える」
講師:内貴 猛(北海道大学情報科学研究科助教授 生体医工学科就任予定
プロフィール:北海道大学工学部機械工学科卒業。北海道大学電子科学研究所助手、同助教授を経て、現在は大学院情報科学研究科助教授。

概要:アスリートのように過剰に長時間にわたり体を動かすと、高血圧症により心臓に過大な圧力負担が加わった場合と同様に心筋細胞が肥大します。高血圧症を引き起こすいくつかのホルモンがなくとも慢性的で過剰な負担が心臓に加わると心筋細胞の運動量が増加し、軽い虚血状態になり肥大化が引き起こるのです。そして肥大した心筋細胞は、正常なものより多くのエネルギーを消費するために酸素や栄養分が不足しやすい状態になり、それらが完全に不足してしまうと、骨格筋の場合は痙攣などで済みますが、心筋で起こると致命的なものとなるのです。


 
PAGE TOPへ
Copyright(c) Okayama University of science. All Rights Reserved.