研究室laboratory

生体情報工学研究室

准教授
小畑 秀明Hideaki Obata

X線CTやMRI、超音波などの画像診断装置から得られる画像を上手く再構成・画像処理を行うことで、より診断に役立つ付加価値の高い生体情報を得ることが可能となります。他にも手術中の患者から直接得られる電気信号などの生体情報を収集解析することで患者の状況を正確に把握し、各医療機器や生命維持管理装置の操作を確実に行うことが可能となります。このように生体情報工学研究室では「計算機科学を医療に」をメイン・テーマとして、生体から得られる様々な情報を活用し、筋肉組織や脳神経組織・軟骨組織などの生命活動の機能性を解明するとともに、診断技術や治療などの医療に貢献することを目指し研究を行っています。

  • 生体情報工学
  • 生体計測
  • 臨床工学

研究内容

  • MRIを用いた生体機能計測
    病院で診断機器として使用されるMRIはただ単に体内組織の形に関する情報を表示するだけでなく、組織がどのような性状で、その機能がどの程度の状態かを表示することができるという特徴を有しています。例えば、心臓のこの部分の筋肉の収縮能力が何%低下しているとか、椎間板が何%水の吸収の能力が低下して、硬くなってきているなどの定量的な評価を行うことが可能となってきました。MRIを用いてこういった生体の機能を定量的に計測する研究をしています。
  • ポンプレス式人工肺の計測
    通常日本では肺の機能は正常であって心臓の機能のみが低下した場合には、人工心肺装置が使用されます。人工心肺装置のポンプが心臓の替わりをするのと同時に、血液内の二酸化炭素を除去して酸素を加えるために人工肺が必要となります。一方、心臓は正常で肺機能に問題が生じた場合でも、日本では人工肺だけを使用することはほとんど行われず、ポンプとセットで使用されます。しかし最近のヨーロッパでは、ポンプを使用しない人工肺が開発され治療に好成績を上げているようです。国内でも導入の準備が進められており、将来臨床工学技士がこれらを管理する可能性があります。そこでその使用状態を監視するためのシステムを構築するための研究を行っています。
  • 生体電気信号計測の活用
    心電図・筋電図・脳波のように人間の体からは常に生命活動の証として電気信号が発せられています。しかしこれらの電気現象は極めて微弱で、その計測には心電計や脳波計のような専用の測定器が必要でした。私達の研究室では、ポリグラフと呼ばれる生体信号多用途記録計がありますので、これを利用して生体電気現象を観測し、その解析結果の活用方法について模索しています。さらに、簡単な回路を製作して、ノートパソコン上でこれらの電気信号を計測するためのシステムの開発なども行っています。

担当科目

電気工学Ⅰ・Ⅱ、電気工学演習、診断機器概論、医用安全工学Ⅰ、医用治療機器学実習、医用生体計測装置学実習、医用機器安全管理学実習、臨床工学特別講義Ⅰ・Ⅱ、臨床実習Ⅰ・Ⅱ、ゼミナール卒業研究Ⅰ・Ⅱ、特別研究